なぜ私たちは陳情を出すにいたったか2 (土壌検査)

狛江のこどもを守るネットワーク (コマエノコドモ)では、このたび狛江市に7ないしは8件の陳情を出すことになりました。
ここでは、土壌測定について私たちの考えていることを説明します。
同じ危機感をお持ちの方はぜひとも、署名活動に参加してください。
陳情文と署名用紙、集約方法は 
こちら


1.私たちの自主測定結果
私たちが5月以降測定した市内の土壌検査データです。
狛江市は問い合わせに対して、定点観測により市内の汚染状況が把握できる(例:市長への手紙 24年7月分No5. No.6)としていますが、果たして下表のような結果が予見できたというのでしょうか。
同じ市内でもこれだけのバラつきのある結果が得られるにも関わらず、数ヶ所の空間線量の定点観測データで市内全域の安全を論じることはできないと私たちは考えています。

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上の2の測定データ
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同じく24年6月6日の朝日新聞
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2.走行サーベイ
次に文科省の走行サーベイの結果、市内の数値が高くないので安心であるという主張に反論します。
「 走行サーベイによる連続的な 空間線量率の測定結果(平成24年3月時点)について」(平成24年9月12日 文部科学省)によれば、公表された結果は「測定値の統計的なばらつきを低減させるため、走行地域を100m四方のメッシュに分割し、そのメッシュ内に含まれる各測定地点での空間線量率の値を平均してメッシュの代表値とした」とあります。100メートル四方が平均化されてしまっては、心配される局所的なホットスポットの有無の判定には役に立ちません。

さらに同報告によれば、1~3次の走行サーベイで測定された空間線量率が理論値以上に測定毎に減衰していく理由として「この事象の主たる要因としては、道路上に沈着した放射性物質が、降雨等の自然環境の要因や道路上を走行する車により移動したこと、さらには、道路周辺地域に沈着した放射性物質が、降雨等の影響で移動したことが考えられる」と推論しています。線量が下がったのは放射性物質が移動したからだというのです。では、どこに移動したと狛江市は考えているのか聞いてみたいところです。

その放射性物質の移動先を科学的に特定できていない現状で、走行サーベイの結果をもって、市内の生活環境の安全性を論ずることはナンセンスです。


3.局所的な汚染
福島第一原発事故に起因する放射能汚染は福島県だけではなく、東北・関東・甲信越の広範囲にわたって汚染が確認されており、文部科学省は少なくとも17都県を“汚染地域”として認めています。

今年2月に報道されたように、福島県南相馬市で発見された「黒い物質」は100万Bq/kgを超えていました。福島県南相馬市内の発見が最初に報道されたことから、高線量の「黒い物質」は南相馬市限定で存在していると考えられがちです。しかし、雨や風などによる自然現象の結果なので全国的に存在します。
東京都内にもそんなマイクロスポットは無数に発見されており、その線量は1μや2μSv/hを超える物も多数確認されています。 「黒い物質」そのものは、雨や風によって集積した砂道ばた、雨が降った後に水が干上がりにくい場所、吹き溜まり(いずれもコンクリートやアスファルト上)に多く見られます。

その正体については、地衣類や土砂であるとか諸説ありますが、周囲の空間線量が高くなくとも、局所的に高濃度に汚染された物質があることは確かです(添付の神戸大学 海事科学部 山内和也助教授のレポート、東京連合のチラシ参照 ← PDF)

そのような黒い物質は、道ばたや広場・公園にも存在し、そのそばを知らずに子どもが通ることもあります。風で再飛散し吸入してしたり踏みつけて靴についたまま、家の中に持ち込む可能性もあり、早急に対応しなければなりません。

私たちが6月に測定した市内の土壌データにも6,420Bq/kg(セシウム合計)という高度に汚染されたものがありましたが、その後の狛江市の空間測定では必ずしも高い値は出ませんでした。このことからも、局所的な汚染に関しては必ずしも空間線量が高く出ない場合もあると考えられ、核種の同定できる土壌検査の実施は空間線量測定と合わせて、可能な限り実施し、高濃度の汚染に対して速やかに対応することが求められます。

以上

「NO!放射能 江東こども守る会」の報告資料を引用します。
不都合がある場合は削除しますので、その場合はご連絡ください。

(付録)
「NO!放射能 江東こども守る会」

放射能汚染レベル調査結果報告書
首都圏における生物濃縮が生み出す高レベルの汚染*
2012年4月20日
山 内 知 也**
神戸大学大学院海事科学研究科

概要:
東京都内において採取された、地衣類あるいはコケ類を含むと見られる土壌物質か
ら、キログラム当り最大で24万ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。福島県南
相馬市において採取された「黒い物質」について、キログラム当り340万ベクレルを超える
放射性セシウムを含んでいること、その物質が藍藻類を含む地衣類の枯れたものであるこ
とが明らかになっているが、同様の物質が東京都内にも存在することが確認された。これ
らは成長の過程でセシウムを摂取・濃縮した後に枯れたものであると考えられる。福島県
内、東京都内に限らず、地衣類によるこのような放射性セシウムの濃縮は、普遍的な現象
として各地に現れていると思われる。地域の汚染レベルを下げるために、このような地衣
類の除去を積極的に行うべきである。

計測機器:
高純度ゲルマニウム半導体検出器/Canberra GC3019

測定結果:
試料:1
3/14採取/江戸川区 (詳細は別紙:M120120413195052)
Cs-134 77,759 ± 30 Bq/kg
Cs-137 110,440 ± 53 Bq/kg
TOTAL 188,199 ± 61 Bq/kg

試料:2
3/14採取/江戸川区 (詳細は別紙:M120120416203818)
Cs-134 101,120 ± 42 Bq/kg
Cs-137 142,060 ± 72 Bq/kg
TOTAL 243,180 ± 83 Bq/kg

試料:3
3/26採取/江東区 (詳細は別紙:M120120417232241)
Cs-134 37,596 ± 20 Bq/kg
Cs-137 53,344 ± 35 Bq/kg
TOTAL 90,940 ± 40 Bq/kg

写真1 中央がキログラム当り24万ベクレルを超えた試料
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福島県外では、0.23 μSv/hという空間線量率がいわゆる「除染」の基準とされている。
ところが、地上1 m高さで言えば、これよりも低いレベルの地域であったとしても24万ベ
クレル/キログラムという土壌物質が存在するという事実は、ひとつの重要な事柄として
周知される必要がある。「放射線障害防止法」に関連する基準では、Cs-134やCs-137につ
いては、その濃度が1万ベクレル/キログラムを超え、かつ、総量が1万ベクレルを超え
るような物体を放射性同位元素として扱うことになっている。濃度が24万ベクレル/キロ
グラムであれば、42グラムもあれば、そこに言う放射性同位元素になる。これは速やかに
除去され、ドラム缶等に封じられ、しかるべき箇所に保管されるべき物体である。

セシウムの性質として、粘土に吸着し一体化することが知られている。また、地衣類や
コケ類に吸収され濃縮されることも知られるようになっている。このような事実に鑑み、
いたずらに空間線量率における基準を機械的に運用するのではなく、0.23 μSv/hを下回っ
ているような地域においても、化学的・生物学的な作用の結果として、濃縮しているセシ
ウムを見つけ出し、それを積極的に除去することが必要であると考える。そうすることで
物理学的な半減期よりも早く、その地域の汚染レベルを下げることが可能となる。

東京電力福島第一原発の事故から1年が経過したが、セシウム汚染はこれからも続く。
セシウムはそれの持つ物理的・化学的な性質の結果として、我々の周辺から容易には消え
ない。積極的に除去しない限り、周辺環境に留まり、条件によっては濃縮が生じる。地衣
類が滅びない限り、その繁茂はこれからも続くであろう。そうであればそれはセシウムを
取り込み、濃縮が生じる。地衣類は土壌から比較的容易に分離できる。また、目視で見つ
けることも簡単である。したがって、我々はこの地衣類の助けをかりてセシウムを生活環
境から取除くことが可能である。

山内知也**
*この放射能汚染調査は、「NO!放射能口江東こども守る会」の要請をうけて実施した。計測には神戸大学大学院海事科学研究科「加速器・粒子線実験施設」の放射線計測機器を使用した。

**658-0022神戸市東灘区深江南町5-1-1 神戸大学大学院海事科学研究科 教授
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by shinzawa-k | 2012-11-09 22:01 | コマエノコドモ


シンザワカツノリ 障害を持った方たちの地域支援をしています。広島生れ。小3男子の父。KOMAEnoKODOMO世話人


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