なぜ私たちは陳情を出すにいたったか
狛江のこどもを守るネットワーク (コマエノコドモ)では、このたび狛江市に7ないしは8件の陳情を出すことになりました。
ここでは、保育園、小学校、中学校の給食について私たちの考えていることを説明します。
同じ危機感をお持ちの方はぜひとも、署名活動に参加してください。
陳情文と署名用紙はこちらから 陳情本文 署名用紙 (PDF)
集約方法はこちら
近日中に、土壌汚染についてもアップします。
1.はじめに
ICRP(国際放射線防護委員会)が2011年4月に発行したICRP-111(原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用)の中に、放射性セシウムの1回摂取と長期摂取による体内残存量の経時推移を示した図があります。同じ1000Bqの摂取でも、1回にまとまって食べた場合は、1,000日後にはほぼ体内から排出されています。しかし、1ベクレルの食事を慢性的に摂取した場合は、日を経るにつれて体内に蓄積します。たかが1ベクレルではないのです。
セシウム137は体重1㎏あたり10Bqくらいから、子どもの心臓の筋肉細胞(心筋)の病気を引き起こし、体重1kgあたり20-30Bqで不整脈が観察され、体重1kgあたり50Bqでは生命にかかわる臓器が病気になる可能性を示唆する海外の専門家もいるのです。(ユーリ・バンダジェフスキー・元ゴメリ医科大学学長)
また被ばくした際の年齢が低いほうが放射線による DNA の損傷が大きい ことは原爆で被ばくした人たちの疫学調査でも明らかになっています。放射線を被ばくすると細胞のなかの DNA が傷つけられます。とくに、DNA の二本鎖切断と呼ばれる損傷が、長い年月を経てガンの増加につながると言われます。 さらに、細胞分裂が活発なときには DNA が損傷される危険が高く、細胞が分裂する頻度が高い子供のほうが放射線からの影響を強く受けると多くの科学者が指摘しています。
次代を担っていく子どもたちのためにできることは、可能な限り放射性物質を子どもから遠ざける努力することであると私たちは思っています。

2.こどもたちの尿検査
24年の5月から6月にかけて、私たちは自分たちの子どもの尿の放射能分析を行いました。その結果を下表に示します。

残念なことに、5人中3人の尿からセシウムが検出されています。サンプルが少なく、給食や牛乳の摂取との関連を直接論じることはできませんが、狛江の子どもたちが内部被爆しているということだけ、まぎれもない事実です。

3.市内の農産品について
尿検査と同時期に市内のJAで販売されている農産品についても、ゲルマニュウム測定を行いました。
下表のように市内で流通している農産物にも、セシウムが含まれていることが確認されました。市内に流通している食品を普通に摂取していても内部被爆することがあると認識しています。
なおさら給食の安全性を高めていただきたいと願っています。



4.給食食材の現状(10月分)
下表は実際に公表された小学校給食の食材と産地と同時期の厚労省の検査情報です。
同時期に放射性物質が検出されたものと同じ産地のものが食材に使われています。
産地が掲示されているのは一部の野菜のみです。他の食品は産地が未確認なものも多数あります。

5.食材の情報公開
狛江市立小の「情報公開」です。

校内の掲示板に伝票が貼られており、保護者は校内まで見に行くことになります。肉・魚はさらに問い合わせなければならないうえに、答えが返ってくるまで日数を要することもあり、学校自身が産地を把握できているのか疑問に感じることもあります。
下は世田谷区立喜多見小学校のHPです。毎日の給食の写真と材料の産地の公開がされています。
世田谷区と狛江、どうしてこんなに違うのでしょうか。

6.近隣区市の給食関連の放射性物質の測定実績
狛江の小・中学校は現在、東京都教育庁により実施される「安全・安心のための学校給食環境整備事業 学校給食用食材放射性物質検査」に参加しています。スクリーニングレベルは食品衛生法の基 準値100Bq/kgの1/2以上の50Bq/kgで、測定下限値は25Bq/kgとなっており、昨年の市独自の検査より大きく後退しています。
不安に感じた私たちの質問に対して「市長の手紙」で以下のように回答いただきました。
「放射線量の値が安全か否かを市で判断することは難しいと考えています。そのため、安全であるかについては、国が示した基準値及び各自治体等の検査結果を信頼して、食材の調達を行っています。(狛企秘発第100314号)」
これは子どもの健康や安全を預かる行政の答えとしては落胆せざるをえません。
3・11以降、しだいに明らかにされるようになった放射能の低線量被ばくの危険性(微量の放射能被ばくでも必ずしも安全とは言い切れないこと)を指摘するさまざまな現在の科学的、医学的レベルの国際的研究の到達点から見れば現在、国が提示している基準は、真に安全であると実証されたものではありません。
そんななか、近隣の市、区が一桁低い検出限界値で保護者の要望に応えるべく検査を行っているにも関わらず、なぜこんな回答になってしまうのか憤りを通り越して、呆然とするばかりです。
(世田谷の最新の自主検査の検出下限値 3.1Bq/kg~3.9Bq/kg 、 調布の自主検査の検出限界値 5 Bq/kg)
以上
ここでは、保育園、小学校、中学校の給食について私たちの考えていることを説明します。
同じ危機感をお持ちの方はぜひとも、署名活動に参加してください。
陳情文と署名用紙はこちらから 陳情本文 署名用紙 (PDF)
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近日中に、土壌汚染についてもアップします。
1.はじめに
ICRP(国際放射線防護委員会)が2011年4月に発行したICRP-111(原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に対する委員会勧告の適用)の中に、放射性セシウムの1回摂取と長期摂取による体内残存量の経時推移を示した図があります。同じ1000Bqの摂取でも、1回にまとまって食べた場合は、1,000日後にはほぼ体内から排出されています。しかし、1ベクレルの食事を慢性的に摂取した場合は、日を経るにつれて体内に蓄積します。たかが1ベクレルではないのです。
セシウム137は体重1㎏あたり10Bqくらいから、子どもの心臓の筋肉細胞(心筋)の病気を引き起こし、体重1kgあたり20-30Bqで不整脈が観察され、体重1kgあたり50Bqでは生命にかかわる臓器が病気になる可能性を示唆する海外の専門家もいるのです。(ユーリ・バンダジェフスキー・元ゴメリ医科大学学長)
また被ばくした際の年齢が低いほうが放射線による DNA の損傷が大きい ことは原爆で被ばくした人たちの疫学調査でも明らかになっています。放射線を被ばくすると細胞のなかの DNA が傷つけられます。とくに、DNA の二本鎖切断と呼ばれる損傷が、長い年月を経てガンの増加につながると言われます。 さらに、細胞分裂が活発なときには DNA が損傷される危険が高く、細胞が分裂する頻度が高い子供のほうが放射線からの影響を強く受けると多くの科学者が指摘しています。
次代を担っていく子どもたちのためにできることは、可能な限り放射性物質を子どもから遠ざける努力することであると私たちは思っています。

2.こどもたちの尿検査
24年の5月から6月にかけて、私たちは自分たちの子どもの尿の放射能分析を行いました。その結果を下表に示します。

残念なことに、5人中3人の尿からセシウムが検出されています。サンプルが少なく、給食や牛乳の摂取との関連を直接論じることはできませんが、狛江の子どもたちが内部被爆しているということだけ、まぎれもない事実です。

3.市内の農産品について
尿検査と同時期に市内のJAで販売されている農産品についても、ゲルマニュウム測定を行いました。
下表のように市内で流通している農産物にも、セシウムが含まれていることが確認されました。市内に流通している食品を普通に摂取していても内部被爆することがあると認識しています。
なおさら給食の安全性を高めていただきたいと願っています。



4.給食食材の現状(10月分)
下表は実際に公表された小学校給食の食材と産地と同時期の厚労省の検査情報です。
同時期に放射性物質が検出されたものと同じ産地のものが食材に使われています。
産地が掲示されているのは一部の野菜のみです。他の食品は産地が未確認なものも多数あります。

5.食材の情報公開
狛江市立小の「情報公開」です。

校内の掲示板に伝票が貼られており、保護者は校内まで見に行くことになります。肉・魚はさらに問い合わせなければならないうえに、答えが返ってくるまで日数を要することもあり、学校自身が産地を把握できているのか疑問に感じることもあります。
下は世田谷区立喜多見小学校のHPです。毎日の給食の写真と材料の産地の公開がされています。
世田谷区と狛江、どうしてこんなに違うのでしょうか。

6.近隣区市の給食関連の放射性物質の測定実績
狛江の小・中学校は現在、東京都教育庁により実施される「安全・安心のための学校給食環境整備事業 学校給食用食材放射性物質検査」に参加しています。スクリーニングレベルは食品衛生法の基 準値100Bq/kgの1/2以上の50Bq/kgで、測定下限値は25Bq/kgとなっており、昨年の市独自の検査より大きく後退しています。
不安に感じた私たちの質問に対して「市長の手紙」で以下のように回答いただきました。
「放射線量の値が安全か否かを市で判断することは難しいと考えています。そのため、安全であるかについては、国が示した基準値及び各自治体等の検査結果を信頼して、食材の調達を行っています。(狛企秘発第100314号)」
これは子どもの健康や安全を預かる行政の答えとしては落胆せざるをえません。
3・11以降、しだいに明らかにされるようになった放射能の低線量被ばくの危険性(微量の放射能被ばくでも必ずしも安全とは言い切れないこと)を指摘するさまざまな現在の科学的、医学的レベルの国際的研究の到達点から見れば現在、国が提示している基準は、真に安全であると実証されたものではありません。
そんななか、近隣の市、区が一桁低い検出限界値で保護者の要望に応えるべく検査を行っているにも関わらず、なぜこんな回答になってしまうのか憤りを通り越して、呆然とするばかりです。
(世田谷の最新の自主検査の検出下限値 3.1Bq/kg~3.9Bq/kg 、 調布の自主検査の検出限界値 5 Bq/kg)
以上
by shinzawa-k
| 2012-11-08 22:32
| 食材について